2007年09月28日

トヨタ自動車、燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」で
大阪-東京間約560kmを水素補充することなく完走

 

 トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、改良を加えた燃料電池システムを搭載した燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」の公道走行試験の一環として、本日9月28日、大阪-東京間の長距離走行試験を実施し、途中で水素を補充することなく完走した。

 本日の走行試験は、大阪府庁舎前(大阪市中央区)をスタートし、名神高速道路~東名高速道路~首都高速湾岸線を経由して、ゴール地点のMEGAWEB(東京都江東区)まで約560kmの距離を、エアコンを稼動させたまま走行し、途中で燃料の水素を補充することなく完走した。

 今回の試験車両は、トヨタが自社開発を進めてきた高性能燃料電池「トヨタFCスタック」の改良に加え、燃料電池の出力とバッテリーの充放電をコントロールする制御システムを見直し、約25%の大幅な燃費向上を実現している。さらに、自社開発の70MPaの高圧水素タンクを搭載し、従来の35MPaタンクに比べ車両への水素貯蔵量を約2倍に増加させている。
 これらの改良により、一回の水素充填による航続距離は、約780km(10・15モード走行。社内測定値)を達成した。

 燃料電池自動車の一般への普及に向けては、コストや水素貯蔵など自動車の技術開発における課題のほか、供給インフラの整備といった社会基盤など様々な課題がある。
 こうした中トヨタは、航続距離の確保、低温始動性や耐久性の向上、コスト低減など研究開発を着実に進めるとともに、国やエネルギー業界など関係機関と協力し、普及に向けて積極的に取り組んでいく。

【今回の試験に使用した燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」の概要】
車 両
名 称
トヨタFCHV
全長/全幅/全高
4,735/1,815/1,685mm
重 量
1,880㎏
乗車定員
5人
性 能
最高速度
155km/h
燃料電池
名 称
トヨタFCスタック
種 類
固体高分子形
出 力
90kW
モーター
種 類
交流同期電動機
最高出力
90kW(122PS)
最大トルク
260N・m(26.5kg・m)
燃 料
種 類
水素
貯蔵方法
高圧水素タンク
最高充填圧力
70MPa
バッテリー
形 式
ニッケル水素電池
<ご参考>
 第40回東京モーターショー(10月26日~11月11日)で行われる、参加・体験型イベント“クリーンエネルギー車同乗試乗会”において、燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」を試乗車として出展する予定。
以上