2005年08月04日

トヨタと一汽集団、プリウスを中国・長春で年内に生産開始

 

 第一汽車集団公司(以下、一汽集団)とトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、両社の車両生産合弁会社である四川一汽トヨタ自動車有限会社(Sichuan FAW Toyota Motor Co.,Ltd.以下、SFTM)の同社長春工場(中国吉林省長春市)でトヨタのハイブリッド乗用車「プリウス」の生産を行うことを決め、中国現地時間4日10:20(日本時間:同日11:20)、第4回中国長春国際汽車博覧会(以下、長春モーターショー)において発表した。

 SFTMにおけるプリウスの生産開始は、2005年内を予定している。車両概要、価格等は、年内に別途発表する予定。

 長春モーターショーの会場である長春国際会展センターで行われた一汽集団とトヨタの記者会見には、一汽集団の金毅副総経理、トヨタの稲葉良睍副社長が出席。最初に、金副総経理が挨拶し、続いて、トヨタの稲葉副社長が「ハイブリッドカーの海外生産を、世界で初めて、中国の自動車産業発祥の地である長春で、またトヨタが特に重視する中国の地でスタートできることを、政府・政府機関関係者および一汽集団の皆様に深く感謝申し上げる。このプロジェクトを着実に育て上げ、一汽集団とのパートナーシップをより強固にするとともに、中国での環境対策や、長春を中心とした東北地区の経済発展に少しでも寄与できることを願っている」と語った。

 5日から14日まで開催される長春モーターショーには、トヨタはプリウスのほか、本年秋から中国で生産を始める「レイツ(REIZ)」、現地生産車である「クラウン」「カローラ」「ヴィオス(VIOS)」「ランドクルーザー」をはじめとするトヨタブランド車、「LS430」をはじめとするLEXUSブランド車など合計10台を展示する。
以上
<参考資料>
一汽集団とトヨタの中国における共同事業展開について
 一汽集団とトヨタは、2002年8月、中国における自動車事業に関して、戦略的かつ長期的な協力関係を樹立し、中国自動車産業のために積極的な共同事業関係を構築することで基本的に合意、中高級乗用車、軽自動車、中高級SUVの3つの領域で生産の具体化を進めることとした。現在までに、両社傘下の「四川トヨタ自動車有限会社(現・四川一汽トヨタ自動車有限会社)」で「コースター」(2000年12月~)「ランドクルーザープラド」(2003年9月~)、同じく両社傘下の「天津トヨタ自動車有限会社」で「ヴィオス」(2002年10月~)「カローラ」(2004年2月~)、「クラウン(2005年3月~)」、一汽集団傘下の「一汽華利(天津)汽車有限公司」で「テリオス」(2003年10月~)、同じく一汽集団傘下の「長春一汽豊越自動車有限公司(現・四川一汽トヨタ自動車有限会社)」で「ランドクルーザー」(2003年10月~)の計7車種について生産を開始している。

 また、2003年11月1日からは、車両販売会社「一汽トヨタ自動車販売有限会社」の営業を開始、生産面での協力体制に加え、販売面でも強固で共存共栄な両社協力関係を築くものとした。

 さらに、2004年9月には、中国でのハイブリッド車の普及・発展について両社で協力、2005年内を目処に「プリウス」の生産を行うことで基本合意に達したことを発表するなど、両社のプロジェクトは順調に進行している。

 今回の「プリウス」投入は、グローバルに環境意識が高まる中で、トヨタが世界に先駆けて開発し、市場に投入したハイブリッド乗用車「プリウス」を日本以外で初めて生産、その先進性にふさわしい品質とサービスを提供するという製造・販売関係者が総力を挙げて取り組んだプロジェクトであり、両社の広汎かつ長期的な協力関係が結実した事業ということが出来る。
<一汽集団とトヨタの主な共同プロジェクトの歩み>
1970年代~ 双方への訪問や視察を通じた友好関係構築
2002年8月29日 中国での自動車事業に関する包括的合作協議書に調印
2003年4月9日 中国での4車種(クラウン、カローラ、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド)の共同生産に関する契約を締結
2003年11月1日 車両販売会社「一汽トヨタ自動車販売有限会社」の営業開始
2004年3月4日 大物プレス金型生産会社「トヨタ一汽(天津)金型有限会社」を設立
2004年3月25日 エンジン生産会社「一汽トヨタ(長春)エンジン有限会社」設立
2004年9月15日 ハイブリッド車の普及・発展で協力することで基本合意
2004年12月10日 「トヨタ一汽(天津)金型有限会社」生産開始
2004年12月15日 「一汽トヨタ(長春)エンジン有限会社」生産開始