2010年10月28日

トヨタ自動車、中国天津市でPHV実証実験を開始

―中国の自動車研究機関との実証実験共同実施に合意―

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)と、中国の自動車研究機関である中国汽車技術研究中心(China Automotive Technology And Research Center:以下、CATARC)は28日、プリウスプラグインハイブリッド(以下、プリウスPHV)の共同実証実験を天津市で実施することで合意した。同日行われた式典では、天津市王治平副市長の立会いのもと、CATARC李洧主任助理、トヨタの佐々木昭専務らが出席し、合意書に調印した。

 実証実験は、中国でのプリウスPHVの適応性や有用性を把握することを目的とし、2010年内に開始する。具体的には現地の自動車ユーザーから評価者を選出し、プリウスPHVを貸与する。評価者は通勤などの生活の中でプリウスPHVを使用し、使い勝手の評価をする。CATARCとトヨタは、燃費や充電速度、EV走行距離などを測定し、そのデータを解析、評価をする。

 式典に参加したトヨタ内山田竹志副社長は「私たちが自動車の『脱石油』を進める上で、どの1次エネルギーからでも作ることができる電気は非常に有望であると考えており、中国で推進されている電動化政策の方針に一致する」と語った。

 プリウスPHVは、家庭用電源からの充電を可能とし、電池容量を大幅に増やすことにより、EV走行距離を拡大した。また、電気を使いきりEV走行ができなくなった後は、従来のハイブリッド車と同様に走行することができる。トヨタは、燃料消費量を大幅に抑制できるうえ、電池の残存量を心配する必要がないPHVが、広くお客様に受け入れられる環境適応車であると考えている。

 トヨタはこれまでに日本を始め、米国ボルダー、欧州のストラスブール等各地で実証実験を実施しており、2012年初めまでにプリウスPHVの市販開始を目指している。

 トヨタは、電気利用技術や次世代環境技術の開発を促進していくと共に、今後も「クルマづくりを通じて地域社会に貢献する」という創業以来の理念のもと、各地域・各国においてお客様に喜んで頂けるクルマづくりに努めていく。
<ご参考>プリウスPHVの主要諸元
ベース車 プリウス
エンジン 排気量・型式 1.8L 2ZR-FXE
最大出力 73kW(99ps)/5,200rpm
モーター 型式 交流同期電動機/3JM
最大出力 60kW(82ps)
システム最高出力 100kW(136ps)
駆動用電池 リチウムイオン電池
CO2排出量 59g/km(ECモード)
EV走行時最高時速 100km/h
PHV燃料消費率 2.6L/100km(ECモード)
EV走行換算距離 約20km(ECモード)

以上