2017年09月07日

(米国時間 : 2017年09月06日)

トヨタ、北米で改善活動を支援する
「トヨタプロダクションシステム・サポートセンター」の25周年式典を実施

-トヨタ生産方式の応用を通じて300以上の企業・団体を支援-

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)の北米事業体であるToyota Motor North America(以下、TMNA)は、NPO法人「トヨタプロダクションシステム・サポートセンター」(Toyota Production System Support Center, Inc. 以下、TSSC)を通じて、北米でトヨタ生産方式(以下、TPS)を応用した改善活動の支援に取り組んできた。この取り組みは、今年で25年目を迎え、本日(米国時間9月6日)、米国テキサス州プレイノ市のTMNA本社にてTSSCの活動25周年を祝う式典を実施した。

 TSSCは、トヨタの経営哲学であるTPSの社外への応用を通じて地域社会に貢献すべく、1992年に設置された。それ以降、NPO法人化を経て、製造業だけでなく、公的機関や医療機関のほか、災害復興や被災者への食料支援に取り組む非営利団体など、300以上の支援先にTPSのノウハウを共有し、オペレーション上の課題解決やリソーセスの最大活用、雇用の維持・創出につながる改善活動などの支援に取り組んできた。主な活動事例は以下のとおり。

食料配給ボランティアの効率化

2012年、ハリケーン・サンディーの被害を受けたニューヨーク市で、食料支援を行うフードバンクとともに、被災者に対する食料配給の体制を改善。

トラック1台で運搬できる食料を1.5倍に増大梱包時間を3分から11秒に短縮したほか、配給時間を60%削減

セントバーナードプロジェクト(SBP)

2005年、米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの被害で壊滅した住居の再建プロセスの見直しや効率化を実施。一軒あたりの建築にかかる時間を12週間から6週間に短縮

オフィス用家具の製造プロセス改善

米国の家具メーカーであるハーマンミラー社(Herman Miller, Inc.)において、キャビネット移動棚の製造工程を改善。生産ラインにおけるムダの削減により、生産設備の床面積と在庫数を削減する一方、一週間の生産台数を6,000台から8,000台に増加したほか、受注から出荷までにかかる時間を60時間から4時間以下に短縮

 TSSCの社長である堀之内貴司は「トヨタは、長年の製造業での経験から、小さな改善の積み重ねが大きな変化につながること、そして、TSSCの活動を通じて、このアプローチは製造業以外の様々な企業や団体に応用できることを学んできた。我々の支援先は、TSSCとともに現地現物で改善に取り組むことで、TPSのノウハウを学び、より多くの食料配給や住居の再建、医療の質向上など、生産性とサービス向上に応用し、雇用の維持・創出にも貢献してきた」と語った。

 トヨタの常務理事であり、TMNAでTSSCや品質、事業オペレーションなどを担当するクリス・ニールセン(Chris Nielsen)は、「トヨタは、支援する企業・団体におけるカイゼン文化の定着に向けて、TPSのノウハウ共有に取り組んでいる。引き続き、自動車産業や製造業以外の分野においても、プロセスの改善、オペレーション効率の最大化、環境変化に強いコミュニティづくりなどを通じて、より多くの人々に貢献できるよう、取り組んでいきたい」と述べた。

 TSSCは、今後、これまでの支援先に加えて、新たに建設業や小売業などの他産業やサービスにおいても、TPSを応用した改善活動に取り組んでいく。また、北米での活動にとどまらず、2016年4月にはオーストラリアにもTSSCを立ち上げるなど、地域のニーズに応じて活動範囲を拡げている。

 今後もトヨタは、お客様に満足いただけるクルマを提供するだけでなく、どこの国でも「町いちばん」の会社になることを目指し、「良き企業市民」として、社会の発展に貢献する活動を推進していく。

以上

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  • TSSC 食料配給ボランティアの効率化
    TSSC
    食料配給ボランティアの効率化
  • TSSC セントバーナードプロジェクト
    TSSC
    セントバーナードプロジェクト
  • TSSC オフィス用家具の製造プロセス改善
    TSSC
    オフィス用家具の製造プロセス改善