2017年11月01日

(米国時間 : 2017年10月31日)

トヨタ、米国事業60周年記念式典を実施

 

 トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の北米事業体であるToyota Motor North America(以下、TMNA)は本日、米国テキサス州プレイノ市のTMNA本社にて、トヨタの米国事業60周年を祝う記念式典を実施した。式典には、プレイノ市のハリー・ラロシリエル(Harry LaRosiliere)市長などの来賓を招き、トヨタの専務役員でTMNAのCEOであるジム・レンツ(Jim Lentz)や従業員などが参加した。

 トヨタは、北米市場進出の足場を築くべく、1957年10月31日、米国カリフォルニア州ハリウッド市に米国トヨタ販売(Toyota Motor Sales, U.S.A. 以下、TMS)を設立。約280平方メートルの販売店ひとつで米国事業を開始した。当時、日本の自動車メーカーにとって米国進出は大きな挑戦であり、トヨタも最初に販売した「トヨペット・クラウン」の高速走行性能が不足するなど当初は苦戦を強いられたが、1968年に発売した小型車「カローラ」や「ハイラックス」(1969年発売)などの商用車、最量販乗用車となるまで成長した「カムリ」(1983年発売)など、米国のお客様のニーズにお応えする商品の投入を続けることで販売を伸ばし、販売店網も拡充していった。また、1989年に立ち上げたラグジュアリーブランド「レクサス」では、最初に投入した「LS400」が高い評価を得て、レクサスは短期間でラグジュアリーブランドの仲間入りを果たした。

 製造面においても、雇用機会の創出や地域経済の発展に寄与すべく、1980年代から本格的に生産事業を開始。1984年に設立したGMとの合弁車両生産工場New United Motor Manufacturing, Inc.(NUMMI)に続き、1986年には米国初のトヨタ単独車両生産工場として、ケンタッキー州にToyota Motor Manufacturing, USA(現Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc. 以下、TMMK)を設立。それ以降、ユニット工場も含めて現地生産の拡充を進め、2015年には米国で初めてとなるレクサスブランド車「ES」の現地生産をTMMKで開始した。

 また、1970年代以降、技術開発の面でも現地化を促進。1973年に北米のデザイン拠点としてキャルティ・デザイン・リサーチを設立し、1977年には、海外初の研究開発拠点としてカリフォルニア州にトヨタテクニカルセンター・USA(現TMNA R&D)を設立するなど、地域の特性やニーズに合った新車開発を推進した。

 今日では、トヨタは米国内に10か所の工場と約1,500か所の販売店を構え、販売店も含めて約13万6000人の雇用を創出。本年7月には、エンジニアリング、販売、マーケティング、金融、コーポレート部門などの機能を集約した北米新本社をテキサス州プレイノ市に開所した。

TMNAのジム・レンツCEOは、「本日は、私たちが60年間クルマを販売し続けてきたことを祝うだけではなく、この先もトヨタを支え続ける数多くの従業員に感謝し、今後ももっといい商品・サービスをお客様にお届けする決意を新たにする日である」と述べた。

 プレイノ市のハリー・ラロシリエル市長は、「この3年間、トヨタが北米本社をプレイノ市に集約するなかで、個性豊かな従業員の方々の存在やトヨタの文化が地域全体に良い影響をもたらしてきた。トヨタでは、従業員が家族のような存在でありながら、目的意識を持って革新を生み出そうとしている。プレイノ市がトヨタに『故郷』と呼んでいただけることを誇りに思いながら、本日、米国事業60周年を祝う瞬間に居合わせられて大変嬉しく思う。ここプレイノ市で、トヨタとともに歩む新たな60年を楽しみにしている」と語った。

 TMNAは、60周年を記念し、トヨタ2000GTのミニカーや1977年製ハイラックスのオリジナルドアキー、トヨタのF1マシンのミニチュアなどを入れたタイムカプセルを本社敷地内に埋設。本タイムカプセルは、米国事業50周年を記念して、2007年にカリフォルニア州トーランス市のTMS本社に埋められていたもので、2057年の米国事業100周年記念の際に本カプセルを開封する予定にしている。

以上

米国での年間・累計販売台数(トヨタ調べ)
(単位 : 万台)
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米国での年間・累計販売台数
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米国での年間・累計生産台数(トヨタ調べ)
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年間
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米国での年間・累計生産台数
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米国トヨタの主な歴史年表
1957 8 米国へ「クラウン」2台をサンプル輸出
米国向けクラウンのサンプル輸出
10/31 カリフォルニア州ハリウッドにToyota Motor Sales USA(米国トヨタ/TMS)設立
米国トヨタの設立
1958 2 トヨタ・モーター・ディストリビューター社および販売店「ハリウッド・トヨタ」設立
7 「クラウン」「ランドクルーザー」を導入し、西海岸を基盤にTMSの営業開始
第1回ディーラーミーティング 米国トヨタの開店披露パーティー
1959 12 TMS本社屋をビバリー大通りに移転
1960 6 「ティアラ(RT20L型)」導入
1965 4 「コロナ(RT43L型)」導入
米国のハイウェーを走るコロナ
1967 3 ニューヨーク駐在事務所発足
1968 4 「カローラ」導入
1969 6 「ハイラックス」および「クレシーダ」導入
1970 10 TMS、初のトヨタ専用埠頭をサンフランシスコのベンシア港に完成
1971 5 「セリカ」導入
7 米国トヨタ、アトラス社とトラックデッキ生産委託契約締結
1972 1 アトラス社(現TABC)で「ハイラックス」のリヤデッキ生産開始
米国での累計販売台数100万台達成
1973 10 海外初のデザインセンター「キャルティ・デザイン・リサーチ(CALTY)」を設立
1974 2 アトラス社をトヨタが買収
10 豊田自動織機製作所と共同出資で米国トヨタ産業車両(株)設立
1975 2 トヨタロサンゼルス・テクニカルセンター設立
12 米国で初めて輸入乗用車販売第一位(328,918台)
1976 9 TMS、傘下ディーラーが1,000店を超える
1977 6 海外初の研究開発拠点「トヨタテクニカルセンター・USA(現TMNA R&D)」をミシガン州に設置
トヨタテクニカルセンター・USA(現TMNA R&D)
1978 12 米国で乗用車、トラック、総販売台数が輸入車第一位に(トリプルクラウン達成)
1982 10 販売金融会社「トヨタ・モーター・クレジット(TMCC)」設立
11 TMS、カリフォルニア州トーランス市に新社屋を完成
米国トヨタ新本社社屋
1983 3 「カムリ」導入
1984 2 GM(米)との合弁会社New United Motor Manufacturing社(NUMMI)設立
NUMMI
4 TMS・米国トヨタ産業車両が合併
1986 1 ケンタッキー州にToyota Motor Manufacturing USA(TMM/現TMMK)設立(1988年5月生産開始)
TMMK建設地にて
9 NUMMIでトヨタ初の北米生産開始(カローラFX)
NUMMIラインオフ1号車を囲んで(ノバ1号車と)
1988 5 TMMにて「カムリ」の生産開始
カムリ1号車とTMMのメンバー達
1989 9 レクサスブランド導入(「LS400」「ES250」発売開始)
初代レクサスLS
1992 9 トヨタ生産方式を応用した改善活動支援に取り組む「トヨタ・サプライヤーサポートセンター(現トヨタプロダクションシステム・サポートセンター : TSSC)」設立
1993 1 Bodine Aluminum, Inc.(BODINE)、トロイ工場生産開始
TTC、アリゾナ州のテストコース開所式を実施
TMM、新型車「アバロン」を生産開始
1996 2 インディアナ州にToyota Motor Manufacturing Indiana(TMMI)設立(1999年2月生産開始)
3 製販持株会社「Toyota Motor America(TMA)設立
5 ウェストバージニア州にToyota Motor Manufacturing West Virginia(TMMWV)設立(1998年11月生産開始)
10 北米製造統括会社としてToyota Motor Manufacturing North America(TMMNA : 現TEMA)設立
1997 米国でカムリが初めて全米乗用車販売台数1位(1997年度・暦年の販売台数)
2000 ハイブリッド車「プリウス」販売開始
プリウス
2001 6 アラバマ州に、Toyota Motor Manufacturing Alabama(TMMAL)設立(2003年4月生産開始)
TMMALでV8エンジンラインオフ式
2002 7 北米での自動車生産累計1,000万台達成
2003 3 テキサス州に、Toyota Motor Manufacturing Texas(TMMTX)設立(2006年11月生産開始)
TMMTXで新型タンドラの生産を開始
6 サイオンブランド導入
サイオンxB
2006 2 北米生産サポートセンター(NAPSC)開設
4 TMMNAとTTCを統合し、北米における研究開発・製造統括会社「Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America(TEMA)」設立
10 TMMKで「カムリハイブリッド」生産開始
2007 2 SIA(スバルの米国工場)でカムリ生産開始
4 ミシシッピ州に、Toyota Motor Manufacturing Mississippi(TMMMS)設立(2011年10月生産開始)
2008 4 TTC内に、北米における先端研究所「Toyota Research Institute of North America(TRI-NA)」設立
10 海外初の衝突安全実験棟を設置した、北米研究開発センター新拠点「TTCヨークタウンシップ」を開所
2010 4 NUMMI生産終了
最後のカローラを全員で送り出すNUMMIの従業員
2011 1 先進技術安全技術センター(CSRC)設立
2014 テキサス州プレイノ市への北米本社移転を発表
2015 燃料電池自動車MIRAI導入
10 TMMKで、レクサス「ES」の生産開始
2016 1 人工知能などの研究・開発を行うToyota Research Institute(TRI)設立
1 マイクロソフトと共同で、車両から得られる情報集約・活用に向けた新会社Toyota Connected設立(TC、現Toyota Connected North America)
5 SIAでのカムリ生産委託終了
8 サイオンブランドのトヨタブランドへの移行開始(一部モデル)
2017 5 北米研究開発拠点TMNA R&D(TTCから改称)を拡張し、開所
北米研究開発拠点
7 テキサス州プレイノに北米新社屋を開所
北米トヨタ新本社屋(米Corgan社設計)
8 マツダと、米国での完成車の生産合弁会社設立について検討を進めていくことに合意
10 ケンタッキー州ジョージタウン市に生産技術棟を開設
(TEMAの生産技術部門をTMMKに移転)
10/31 米国事業60周年式典を実施

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