2015年10月18日

全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦
アンドレ・ロッテラーがレースを支配し今季2勝目!
中嶋一貴4位、石浦宏明5位でランキングを維持し最終戦へ

 

ポールトゥウィンを喜ぶアンドレ・ロッテラーと舘信秀監督

 スーパーフォーミュラの第6戦がスポーツランドSUGOで行われ、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が圧倒的な速さで独走。今季2勝目を挙げた。シリーズタイトルを争う中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)と石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は共にピットでのタイムロスや戦略もあり、それぞれ4位、5位でフィニッシュ。それでもドライバーズランキングでは2位、1位のポジションを維持し、優位な状況で最終戦に臨むこととなった。

スーパーフォーミュラ 2015年 第6戦 SUGO

 スーパーフォーミュラの第6戦が10月17日(土)、18日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。

 全7戦で戦われている2015年のスーパーフォーミュラもいよいよ残り2戦となった。最終戦へ向けての山場となる一戦の舞台は東北、SUGOのテクニカルコース。

 今季のスーパーフォーミュラは開幕戦でアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が勝利を挙げるも、第2戦では石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)がポール・トゥ・ウィンで悲願のトップフォーミュラ初優勝。第3戦はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)が制し、開幕3戦で3人の異なる勝者が生まれることとなった。

 第4戦は絶好調の石浦が2勝目。第5戦は、負傷により1戦欠場も、出場した3戦全てで2位表彰台を獲得していた中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が今季初勝利を挙げた。これでタイトル争いは、2戦を残して唯一2勝を上げている石浦がひとつ抜け出し、7ポイント差で中嶋一貴、12ポイント差でオリベイラが追う形となった。

 今大会で最大11ポイント、最終戦は2レース制+ボーナスポイントで最大18ポイント獲得出来るため、逆転タイトルの可能性は4位のロッテラー(21ポイント差)、5位の小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans : 27ポイント差)にも残された状況でSUGO大会に臨むこととなった。

予選

LENOVO TEAM IMPUL SF14 19号車

 予選日の17日(土)は朝から快晴。午前中のフリー走行を経て、午後1時45分より気温20度/路面温度30度のコンディションの下、ノックアウト方式の予選Q1が開始された。

 セッション開始と共に全車が一斉にコースインしたが、開始4分を過ぎたところでジェームス・ロシター(KONDO RACING)がスピンしコース上にストップ。赤旗中断となった。ロシターは自力でピットへと戻れなかったため、ここでアタックを終えることとなり、最後尾グリッドが確定した。

 再開後3分ほどで再びコースオフ車両により赤旗。残り14分ほどで再開されると、まず全車一旦タイムをマークした後、ピットインして新品タイヤで本格的なアタックが開始された。

 2周のウォームアップラップの後、各車がタイムを更新していく中、小林がこれまでのコースレコードを上回るタイムをマークしトップに。しかし、すぐにこれをロッテラー、オリベイラが上回り更にレコードを更新。

 午前中のフリー走行の終盤にコースオフし、車両にダメージを負いながら、メカニックの懸命な修復で予選出走に間に合った中山雄一(KCMG)は、チェッカー目前の最後のアタックで好タイムをマークし8番手。Q2進出を決めた。

 このQ1では、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が苦戦し17番手、ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)が18番手となり、最後尾のロシターと共にグリッド決定となった。

 7分間の予選Q2では、ロッテラーがいきなりQ1首位のオリベイラのタイムをコンマ4秒短縮する速さを見せトップに。これに石浦が続いた。オリベイラ、中嶋一貴も安全圏のタイムをマーク。小林は最終ラップで7番手に飛び込み、この5名がQ3へ進出。

PETRONAS TOM'S SF14 1号車

 トップの8台がコンマ5秒台に入る激戦となったこのQ2、アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)は既存のレコードタイムを更新するも10番手、平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)13番手、中山もQ1のタイムを更新出来ず、14番手でQ2敗退となった。

 予選Q3(7分間)は、1台がセッション開始と同時に出て行ったが、5台のトヨタ勢は、残り5分半を切ったあたりでコースイン。まず中嶋一貴がQ2でのロッテラーのタイムを上回ってトップに立つも、ロッテラーは更にこのタイムを更新。今季開幕戦で勝利した後、不満の残るレースが続いていたロッテラーが、コースレコードで今季初、国内トップフォーミュラで自身9回目となるポールポジションを獲得した。

 中嶋一貴が2番手で続き、トムス勢が最前列に並ぶことに。石浦は第3コーナーのブレーキングでミス。このミスがなければポールポジションも狙える速さを見せていた石浦だったが、それでも2列目3番手につけ、タイトルを争う2人は好位置からのスタート。

 4番手以降は、7番手までの4台が僅か100分の6秒以内に入るという非常に厳しい戦いとなり、オリベイラが6番手、他車に引っかかってタイムをロスした小林は7番手から明日の決勝をスタートすることとなった。

決勝

Team KYGNUS SUNOCO SF14 8号車

 決勝日の18日(日)も好天。午後2時30分、昨日よりもやや高い気温22度、路面温度33度というコンディションの下でフォーメーションラップが開始された。

 全車グリッドに整列後、レッドシグナルが消え、スタートが切られると、最前列2番手の中嶋一貴が好ダッシュを見せ、首位に浮上。僅差でロッテラーが続いた。その後方では、石浦、小林共に一つずつ順位を落とし、それぞれ4位、6位で1コーナーへ。

 スタートで小林の先行を許し7位に後退したオリベイラは、4周目の1コーナー進入で小林をパス。翌周、更に前を行く車両をかわそうとしたが、1コーナーでコースオフ。再び7位にポジションを落としてしまった。

 予選でコースオフし最後尾スタートとなったロシターが6周終了と早い時点で給油ピット。続いて、9周目終了時に、13番手スタートから9位まで順位を上げていた平川が給油のみのピットへ。翌周には小林、スタート直後の接触で車体前部にダメージを負っていたカルダレッリもピットに向かった。

 首位を逃げる中嶋一貴は2位ロッテラーに対し1秒の差。その後方3位は2秒以上離しての快走を見せていたが、14周目にはロッテラーが猛追を開始。最終コーナーから15周目のストレートでオーバーテイクシステムを使い、1コーナー進入で一気に中嶋一貴をパス。首位を奪還した。

 首位に立ったロッテラーは速さを見せ、後続を引き離し独走態勢に。中嶋一貴も後続との差を維持したまま2位、石浦も4位のまま周回を続けた。

P.MU/CERUMO·INGING SF14 38号車

 後方では、先にピットインしていた小林らが、ハイペースで追い上げを開始。これを見た石浦は26周目に給油のみのピットインを行ったが、給油ノズルが上手く入らないトラブルに見舞われ、タイムロス。28周目には中嶋一貴もピットへ向かい、給油中に作業を終えることが可能なリア2輪のみ交換。しかし、こちらも給油ノズル挿入でタイムロスを喫し、追い上げてきたライバルの先行を許すこととなってしまった。

 リア2輪のみ交換の中嶋一貴は、先にピットを終えていた石浦の直前でピットアウト。まだタイヤの温まっていない中嶋一貴を石浦は懸命に攻めたが、中嶋一貴も巧みなブロックでこれを阻止。ポジションをキープした。

 首位を行くロッテラーは、周回遅れをかき分けながらもハイペースで後続を引き無していき、2位との差を15秒以上へ広げて53周目終了時点でピットイン、給油のみでコースへ復帰。その直後、3位で追っていたオリベイラもピットへ向かったが、再発進時にエンジンストール。10秒ほどタイムをロスし、上位争いから脱落してしまった。

 最後までピットを引っ張ったのは、14番手スタートの中山。昨年無給油作戦を採り、残り3周で燃料切れに見舞われた中山は、2位に浮上すると上位勢と遜色ないタイムを刻み、残り10周でピットイン。順当に行けば8位でコースに復帰出来ると思われたが、中山も給油ノズルが入らないアクシデントに見舞われ、タイムをロス。接近戦のまっただ中の10位でコースに復帰することとなった。

PETRONAS TOM'S SF14 2号車

 中山のピットインで全車ピットを終え、首位のロッテラーは17秒以上もの大差で首位を快走。中嶋一貴は4位、石浦宏明が5位で、ほぼ1秒ずつ離れている前走車を追ったが届かず。

 ロッテラーは最後は約24秒もの大差をつけて圧勝のポール・トゥ・ウィン。今季2勝目を挙げた。中嶋一貴は4位、石浦が5位。最後まで平川と6位争いを繰り広げた小林は逃げ切って6位。平川が最終ラップに燃料切れに見舞われたため、これをかわしたオリベイラが7位、平川はなんとかチェッカーへとたどり着き、8位でフィニッシュした。平川と小林はフィニッシュ後のクールダウンラップ中に燃料切れでコース上にストップするという、ぎりぎりでのフィニッシュであった。

 タイトル争いでは、石浦が45ポイントで首位を維持。中嶋一貴が6ポイント差の2位、ロッテラーとオリベイラが共に14ポイント差の3、4位で、この4名が最終戦へタイトルの可能性を残して臨むこととなった。

 また、今大会の結果、ロッテラーと中嶋一貴のPETRONAS TEAM TOM'Sは、最終戦を残してチームタイトルを決定した。

 TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。

PETRONAS TEAM TOM'S 2号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー
良いレースが出来、本当に素晴らしい一日だった。スタートは上手く行ったのだが、ややクラッチが滑り気味で、絶好のスタートを切った一貴に前に行かれてしまった。後方から一貴を観察し、最終コーナーで自分の方が状態が良いことが分かったので、オーバーテイクを仕掛け、パス出来た。その後はレースを楽しめた。クルマのバランスも良かったし、思うように走ることが出来て最高のレースだった。
全日本選手権スーパーフォーミュラ 第6戦 結果表
順位 No. ドライバー チーム 周回 タイム/差 予選 予選タイム エンジン
アンドレ・ロッテラー PETRONAS TEAM TOM’S 68 1:17'52.551 1'05.005 TOYOTA RI4A
16 山本 尚貴 TEAM 無限 68 23.881 1'05.314 HONDA HR-414E
40 野尻 智紀 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 68 24.666 1'05.324 HONDA HR-414E
中嶋 一貴 PETRONAS TEAM TOM’S 68 25.453 1'05.177 TOYOTA RI4A
38 石浦 宏明 P.MU/CERUMO・INGING 68 28.371 1'05.246 TOYOTA RI4A
小林 可夢偉 KYGNUS SUNOCO Team LeMans 68 47.546 1'05.377 TOYOTA RI4A
19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ LENOVO TEAM IMPUL 68 48.168 1'05.344 TOYOTA RI4A
平川 亮 KYGNUS SUNOCO Team LeMans 68 49.787 13 1'06.060 TOYOTA RI4A
10 塚越 広大 REAL RACING 68 53.179 12 1'06.024 HONDA HR-414E
10 18 中山 雄一 KCMG 68 53.636 14 1'06.305 TOYOTA RI4A
11 34 小暮 卓史 DRAGO CORSE 68 54.548 1'05.495 HONDA HR-414E
12 64 中嶋 大祐 NAKAJIMA RACING 68 55.803 11 1'05.963 HONDA HR-414E
13 41 ナレイン・カーティケヤン DOCOMO TEAM DANDELION RACING 68 56.764 16 1'06.438 HONDA HR-414E
14 ジェームス・ロシター KONDO RACING 67 1 Lap 19 1'19.426 TOYOTA RI4A
15 ウィリアム・ブラー KONDO RACING 67 1 Lap 18 1'07.912 TOYOTA RI4A
16 20 アンドレア・カルダレッリ LENOVO TEAM IMPUL 67 1 Lap 10 1'05.838 TOYOTA RI4A
17 39 国本 雄資 P.MU/CERUMO・INGING 67 1 Lap 17 1'06.561 TOYOTA RI4A
18 65 ベルトラン・バゲット NAKAJIMA RACING 66 2 Laps 15 1'06.322 HONDA HR-414E
  11 伊沢 拓也 REAL RACING 50 18 Laps 1'05.794 HONDA HR-414E
ドライバーズポイント
(第6戦終了時)
順位 ドライバー名 エンジン ポイント
石浦 宏明 TOYOTA RI4A 45
中嶋 一貴 TOYOTA RI4A 39
アンドレ・ロッテラー TOYOTA RI4A 31
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ TOYOTA RI4A 31
小林 可夢偉 TOYOTA RI4A 17
平川 亮 TOYOTA RI4A 11
11 国本 雄資 TOYOTA RI4A
12 ジェームス・ロシター TOYOTA RI4A
13 アンドレア・カルダレッリ TOYOTA RI4A

以上

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