2017年10月23日

JPN TAXI | COLUMN | 「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはず

 

「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはず 「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはず 「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはず 「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはず
2017年10月23日

「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはず

-開発責任者のメッセージ-

タクシーは、その国や街を象徴し、そこに暮らす人やそこを訪れる人に愛され、大切な移動手段として無くてはならない存在です。中でも日本のタクシーは、海外からのお客様からそのサービスや「おもてなし」により非常に高い評価を得ています。

一方、トヨタ自動車はトヨダAA型の時代より、自分の手で自家用車普及を目指し、長い距離を走るタクシーにより信頼性、耐久性を育ててきました。「トヨタ自動車の歴史は、タクシーとともに歩んできた」と言っても過言ではないのです。

荒川鈑金工業製SB型改造乗用車タクシー

荒川鈑金工業※製SB型改造乗用車タクシー

名古屋市のボデー鈑金加工会社。のちに、荒川車体、アラコへと社名を変更し、2004年12月にトヨタ車体に事業を統合

そして現在、駅、空港、ホテル、観光地にて本当に多くのタクシーを目にします。例えば、海外からの旅行者が空港等で最初に見る景色がタクシーかもしれません。このように都市景観に大きな影響を持つタクシーは、日本の顔、景色とも言えるのです。

私は、22年ぶりの「タクシー開発」を任された時、少しの不安と大きな夢が頭をよぎりました、「皆が乗りたくなる、そして笑顔になれる世界に誇れる日本ならではのタクシーを創ろう」と。そして次世代タクシー企画メンバー(自称、「チーム力車(りきしゃ)」)は全国のタクシー会社、福祉施設、有識者への要望調査や主要都市、観光地、被災地、病院等でのタクシー利用実態調査、更には実習生としてタクシーに同乗しドライバーの仕事を体感するなど、徹底した現地現物活動を行いました。

ご存知のように日本は急速に超高齢化社会へ向かっています。病院や空港、駅などで高齢者や身障者がタクシーの乗車に苦しむ姿を目にしました。公共交通として、様々な人が利用しやすい“新しいタクシー”が必要である事を強く感じました。

そして、一日における稼働時間が乗用車と比べ格段に長いタクシーこそ、環境へのインパクトが大きく、早急な性能の向上が必要です。更に、公共交通として、最も安全・安心な乗り物でなければなりません。

また、タクシーのユーザーは、乗用車とは違い、利用者、ドライバー、経営者の3者となり、この全てのユーザーに満足していただけるクルマでなければならないのです。

今回、「JPN TAXI」は、日本の“おもてなしの心”を反映し、お子様、高齢者、車いす使用者、外国からの観光客など、様々な人に優しく快適なタクシー専用車を目指しました。具体的には、お客様が乗降しやすい“大開口のスライドドア”と“低床フラットフロア”およびアシストグリップ配置、更には車椅子のままでの乗車も可能とするなど、ユニバーサルデザインを採用。

乗車可能な車いすの寸法については、toyota.jp内 JPN TAXI(ジャパンタクシー)詳細ページをご確認ください。http://toyota.jp/jpntaxi/

車いすの形状や回転性能によっては乗車できない場合があります。

JPN TAXI

「おもてなしの心」を形としたロングラスティングな独創デザインや、日本の伝統色である藍色「深藍(こいあい)」のボデーカラーなど、街の景観を美しく統一する事も目指しました。

更に、新開発LPGハイブリッドシステムにより、高い環境性能と経済性を確保、Toyota Safety Sense Cや6エアバック、インテリジェントクリアランスソナーなどの先進安全装備と信頼の耐久性、タクシーとして様々な工夫を織込み、安全・安心そして快適なタクシーとしました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、このクルマの普及によりバリアフリーな街づくり、安全・安心な街づくり、そして観光立国「ビジット ジャパン」への貢献を目指します。

「深藍のJPN TAXI」は必ずや皆を笑顔にしてくれるはずです!

粥川 宏

トヨタ自動車(株) Toyota Compact Car Company
製品企画 チーフエンジニア

1984年トヨタ自動車入社。入社よりボデー設計を担当し、初代セルシオ含む各モデルの外装等を手掛ける。2006年に製品企画に移り、開発責任者として「プリウスα」、「シエンタ」の担当を経て、JPN TAXIの開発責任者に就任。

粥川 宏