Nov. 18, 2016

トヨタ自動車、中国の研究開発センターを拡張

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、中国の研究開発拠点であるTMEC*1において、設立時の投資計画に基づいた既存実験棟の増強、新実験棟の建設、電池評価試験棟の新設およびテストコースの増強を実施することを公表した。2018年末以降の完成を予定している。

 TMECは、2010年に「中国のためのクルマづくり」に向け、開発体制の現地化と強化を目的に設立された。以来、中国産ハイブリッドユニット搭載車の中国市場への普及を目指し、取り組みを推進。2012年には主要ハイブリッドユニットの現地生産会社として「トヨタ自動車(常熟)部品有限会社*2」(ハイブリッド用トランスアクスルの製造会社)、また、2013年には「新中源トヨタエナジーシステム有限公司*3」(ハイブリッド用電池製造会社)が設立。2015年10月、中国産ハイブリッドユニット搭載の「カローラハイブリッド」「レビンハイブリッド」の販売を開始した。

 トヨタは、従来より、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車と、それぞれの特徴を活かしながら、全方位でエコカーの開発を進め、普及に努めている。中国においても、中国政府の「省エネ・新エネ車発展企画」のもと、環境に優しいクルマを導入していく計画であり、現在取り組みを進めているハイブリッド車の普及に加え、「カローラ」「レビン」のプラグインハイブリッド車の導入を予定している。また、燃料電池車の中国での実証実験開始に向けた準備を推進する他、中国市場への電気自動車導入についても検討していく。中国市場の競争激化、および法規制の厳格化が進む中、中国における開発拠点であるTMECの施設を拡張し、技術開発機能を強化することで、中国での「もっといいクルマ」づくりをさらに推進していく。

 トヨタの専務役員で、中国本部長である大西弘致(ひろぢ)は、広州モーターショーのプレスカンファレンスで「研究開発においても、長期的な視点から、中国での現地開発の強化に力を入れている。今後も多くの現地エンジニアを育成し、中国のお客様のニーズにこたえる、より多くのクルマを開発していきたい」と語った。

*1 トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社/Toyota Motor Engineering & Manufacturing (China) Co., Ltd. 略称 : TMEC
*2 トヨタ自動車(常熟)部品有限会社/Toyota Motor (Changshu) Auto Parts Co., Ltd. 略称 : TMCAP
*3 新中源トヨタエナジーシステム有限公司/Sinogy Toyota Automotive Energy System Co., Ltd. 略称 : STAES
TMEC会社概要
名称
(日本語)
トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社
(中国語)
豊田汽車研発中心(中国)有限公司
(英語名)
Toyota Motor Engineering & Manufacturing (China) Co., Ltd.(略称 : TMEC)
所在地 江蘇省 常熟高新技術産業開発区内
代表
董事長(会長)
大西弘致(トヨタ自動車(株)専務役員)
副董事長
伊勢清貴(トヨタ自動車(株)専務役員)
副董事長・総経理(社長)
奥平総一郎(トヨタ自動車(株)専務役員)
資本金 2億3400万米ドル
総投資額 6億8900万米ドルを予定(土地、建物、テストコース、試験設備等)
出資比率 トヨタ自動車(株)100%
土地面積 234万m2(うち建屋面積 : 6.9万m2、テストコース面積 : 74万m2
主要設備 高速周回路、悪路耐久路、特性路などのテストコースやシャシーダイナモメーターの他、様々な実験設備を計画
従業員数 約400名(2016年11月現在)
設立日 2010年11月17日
事業開始 2011年4月~

以上