いま、自動車業界を取り巻く環境は、技術の進化や異業種からの参入などにより、かつてないスピードと規模で変動しており、クルマに求められる役割(社会インフラとしての役割)や、競争のルールが様変わりしつつある。トヨタ自身も、「電動化」「コネクティッド」「自動運転」領域の技術を活用し、移動・物流・物販などの多目的なサービスに対応した「新たなモビリティコンセプト : e-Palette Concept」を提案するなど、クルマをつくる会社からモビリティサービスを提供する会社に大きく転換しようとしている。

このような中、トヨタは本年1月、グループの連携を強化し、これまで取り組んできた「仕事の進め方改革」を一層進めるために役員体制の変更および組織改正を実施した。役員体制については、4月の定期異動以外にも、必要に応じ随時変更してきたが、今年はさらにスピードを上げ、従来の4月から1月に前倒しで変更を実施した。加えてこのたび、取締役、監査役についても、従来の枠にとらわれず「適材適所」の考えに基づき、社内外から高度な専門性を有する多様な人材を配置し、体制を刷新する。

豊田章男社長は「大変革の時代を生き抜くためのキーワードは『スピード&オープン』。志を同じくし、様々なプロフェッショナリティを持つ人を、社内外を問わず適材適所に配置することで、オープンマインドで議論し、既存の枠にとらわれない大胆な発想をスピーディに実行に移せる体制を目指した。今回、社外取締役として、前国際パラリンピック委員会会長のフィリップクレイヴァン氏を私たちの仲間にお迎えすることにした。クレイヴァン氏は『障がいのある方が、より社会に参加するためには、移動の自由が鍵を握る』と言っておられるが、一方で、『今の社会では、移動が本当に大変だ』という声も伺っている。誰かが何かにチャレンジしたいと思っている時、『移動』がチャレンジするための障がいではなく、夢を叶えるための可能性になってほしいと思う。クレイヴァン氏の提唱する『One World, One Dream, One People』の実現に向けて、全員で心をあわせてチャレンジを続けていきたい」と述べた。

役員人事

第114回定時株主総会後の取締役・監査役の体制について

取締役・監査役の選任については、第114回定時株主総会の承認を経て正式決定する。代表取締役の選定、役付取締役の選定については、第114回定時株主総会後の取締役会にて正式決定する。退任予定取締役・監査役については、第114回定時株主総会日付で退任する。

取締役の役職変更(1名)
氏名 新役職 現役職
  早川 茂 代表取締役副会長 取締役副会長
新任取締役候補(4名)
氏名 新役職 現役職
  小林 耕士 代表取締役*1 副社長
  菅原 郁郎*2 取締役 前 経済産業事務次官
  Philip Craven*2 取締役 前 国際パラリンピック委員会 会長
  工藤 禎子*2 取締役 (株)三井住友銀行 常務執行役員
*1 執行役員(副社長)を兼務
*2 社外取締役
退任予定取締役(4名)
氏名 現役職
  永田 理 取締役
  宇野 郁夫 取締役
  加藤 治彦 取締役
  Mark T. Hogan 取締役
新任監査役候補(2名)
氏名 現役職
  安田 政秀 前 トヨタモーター コーポレーション オーストラリア(株)会長
  平野 信行 (株)三菱UFJフィナンシャル・グループ 取締役 代表執行役社長
(株)三菱東京UFJ銀行 取締役会長
退任予定監査役(2名)
氏名 現役職
  中津川 昌樹 常勤監査役
  北山 禎介 監査役
ご参考第114回定時株主総会後の取締役、監査役の体制(候補者)
取締役(9名)○印は新任
氏名 新役職
  内山田 竹志 代表取締役会長
  早川 茂 代表取締役副会長
  豊田 章男 代表取締役社長*1
小林 耕士 代表取締役*2
  Didier Leroy 取締役*2
  寺師 茂樹 取締役*2
菅原 郁郎 取締役*3
Philip Craven 取締役*3
工藤 禎子 取締役*3
*1 執行役員(社長)を兼務
*2 執行役員(副社長)を兼務
*3 社外取締役
監査役(6名)○印は新任
氏名 新役職
安田 政秀 常勤監査役
  加藤 雅大 常勤監査役
  香川 佳之 常勤監査役
  和気 洋子 監査役
  小津 博司 監査役
平野 信行 監査役

以上