2000年08月31日

トヨタ、セルシオをフルモデルチェンジ

-最高級車の新たな頂点のあり方を提案-

 

 トヨタ自動車(株)は、セルシオをフルモデルチェンジし、8月31日より全国のトヨタ店ならびにトヨペット店を通じて発売した。

 1989年に誕生したセルシオは、国内はもとよりレクサスLS400として海外においても、高性能・高品質が高く評価されてきた。
 3代目となる新型車は、常に最高を追求するセルシオの思想にのっとり、すべてにおいて頂点を極めることを念頭にプラットフォームから一新し、卓越した安心感を基調に操り走る魅力を追求するとともに、さらに快適で質の高い室内空間を実現することで、21世紀を走る最高級車の頂点のあり方を提案している。

  1. 新開発4.3リットルV8エンジン、ヨー慣性モーメントを低減させた新パッケージ、新設計サスペンションにより、安心感を究めつつ操り走る魅力を追求
  2. 空力性能を究めたCd値0.25の流麗でダイナミックなフォルムの中に、くつろぎの広い室内空間を表現
  3. キーを携帯するだけでドア解錠、エンジン始動が可能なシステムや、緊急通報システムへの対応など、ITSをはじめとする先進技術を結集
  4. 超-低排出ガスレベルのクリーンな排気と低燃費を実現するとともに、最新安全技術によりクラス世界トップレベルの安全性を実現
  5. 鮮映性に優れた塗装、高精度の組み付け、経年変化を抑制する材質の厳選など、世界をリードする高品位・高品質の車造りを推進
セルシオ C仕様 [UA-UCF31-AEAQK]<オプション装着車>

セルシオ C仕様 [UA-UCF31-AEAQK]
<オプション装着車>

車両概要
  1. 安心感を究めつつ、操り走る魅力を追求
    最高級車にふさわしい余裕の動力性能の実現に加え、あらゆる走行条件における安心感のある走りを追求し、卓越した操縦性・走行安定性を実現
    1. クラス世界トップの優れた動力性能を実現
      • 豊かな中低速トルクを発生する新開発4.3リットルV8エンジン<BEAMS3UZ-FE>による余裕の動力性能に加え、油圧制御系を新設計した先進の5速オートマチックトランスミッションにより、最高級車にふさわしいスムーズで伸びのある優れた加速性能を実現
エンジン主要諸元
排気量
(cc)
最高出力
(kW/rpm)
最大トルク
(N・m/rpm)
10・15モード走行燃費
(km/リットル)
BEAMS
3UZ-FE
4,292 206(280PS)/5,600 430(43.8kg・m)/3,400 8.2
BEAMS
Breakthrough Engine with Advanced Mechanism System(先進機構を備えた画期的エンジン)
  1. グローバルな使われ方を想定し、超高速走行評価試験、カントリー路走行評価を重ね、高速走行時の安心感と操り走る魅力を追求
    • エンジン、バッテリー、燃料タンクなどの重量物を車両の中心に寄せ、理想的重量配分を追求し、ヨー慣性モーメントの低減を実現した新パッケージに加え、高剛性ボディ、優れた空力特性などにより車両運動性能を格段に向上
    • 各サスペンションアーム、ステアリングギヤ配置を一新し、アルミ素材を各部に採用した軽量・高剛性の新設計サスペンション、および油圧特性を改良したステアリングシステムにより卓越した操縦性・走行安定性を実現
    • C仕様は、非線型H∞(インフィニティ)制御+仮想ロールダンパー制御を用いた電子制御エアサスペンションを採用したほか、高速走行時に車高を下げる高速感応車高制御により乗り心地と操縦性・走行安定性を向上
    • “eRバージョン”は、欧州各地での走行試験を重ねチューニングを実施したコイルサスペンションを採用し、17インチタイヤの採用とあいまって安心感のある優れた操縦性・走行安定性を実現
  1. 流麗なフォルムの中に、広い室内空間を実現
    全高を高めながらも空力性能を極めたCd値0.25(C仕様)の流麗でダイナミックなスタイルを創造し、キャビンは、より余裕のあるくつろぎの空間を実現
    1. ゆとりの新パッケージ
      • 全長はそのままにホイールベースを延長しキャビンを広げるとともに全高を高め、前後席の足元、ヘッドクリアランスを拡大し、さらにゆったりとした室内空間を確保
      • 燃料タンクの位置を改め、ラゲージスペースを大幅に拡大しクラス世界最大の容量を確保するとともに、使用性を向上
車両寸法
( )内は従来型との差
  セルシオC仕様
全長(mm) 4,955(±0)
全幅(mm) 1,830(±0)
全高(mm) 1,470(+55)
ホイールベース(mm) 2,925(+75)
前後ヒップポイント間距離(mm) 1,035(+50)
最小回転半径(m) 5.2(-0.1)
ラゲージ容量(リットル・VDA法) 573(+110)
  1. 流麗でダイナミックな外形デザイン
    • エレガントさと骨太でダイナミックな力強さを表現したエモーショナルなフォルムを基調に、存在感のあるセルシオのデザインを継承
    • アッパーボディ各部を効率的な風の流れとなる形状としたうえ、床下の徹底したフラット化により、C仕様の空力特性はセダン世界トップレベルのCd値0.25を実現
      (A、B仕様はCd値0.26)
  1. くつろぎの室内空間
    • ゆったりとした室内スペースは、優れた機能性と操作性を継承する一方、高級家具を彷彿させるシートや木目パネルなど、くつろぎの室内空間を演出
    • 静かさでは、セルシオ伝統の源流主義にのっとり、一段と静粛性を高めたV8エンジンに加え、ボディ結合部の剛性強化、曲面フロアパネルの採用により振動・騒音を抑制するとともに徹底した整流解析により風切り音を大幅に低減
    • 上級本革セミアニリンのシートを採用した“インテリアセレクション”の設定をはじめ、新内装色のエクリュなどプレステージ性を追求した多彩な室内バリエーションを設定
  1. 最新インテリジェント技術を結集
    最高の快適性・使用性を追求し、緊急通報システム対応をはじめとする先進にITS機能のほか、インテリジェントな装備・機能を充実
    1. ITS機能
      • 交通事故や急病発生時に、エアバッグの作動による自動通報、または緊急通報スイッチ操作による手動通報でオペレーションセンターを経由して所轄の警察または消防に救援を要請できるヘルプネット(緊急通報システム)対応ユニット(エアバッグ連動タイプ)を設定(販売店装着オプション)
ヘルプネット(HELPNET)は(株)日本緊急通報サービスの商標
  • レーザーレーダーセンサー、ステアリングセンサーなどにより、走行レーンと先行車を認識し、走行速度に応じた適切な車間距離で追従させるレーダークルーズコントロールに、ブレーキを用いた減速手段を追加(全車にオプション)
  • 有料道路料金所での通行料支払いをノンストップで行なう自動料金収受システム(ETC)に対応したビルトインタイプの車載機を設定(販売店オプションETCの運用開始に合わせ発売予定)
  • エレクトロマルチビジョンは、DVDボイスナビゲーションをさらに進化させ、経路探索処理速度の大幅な短縮や目的地の住所戸番レベルでのピンポイント検索を実現したほか、FM多重放送、VICS受信機器への接続、自動車向け情報提供サービスのモネ(MONET)に対応(全車にオプション)
VICS
Vehicle Information and Communication System
  1. 快適装備
    • キーを携帯することにより、キー操作なしでドアロック解除やエンジン始動が可能となるスマートキーシステムを設定(B、C仕様にオプション)
    • 運転席のシートクッション長を前後に70mm調整でき、より体格にフィットする機構を採用(B、C仕様に本格革シートとセットオプション)
    • 前席のシート表面から温風、冷風を吹き出し快適性を高めるコンフォータブル・エアシートを設定(B、C仕様の本革シートにオプション)
    • エアコンは、室内温度や日射、乗員の位置に応じて吹き出し角度を自動的にきめ細かく制御を行なう進化したインテリジェントスイングレジスターを全車に標準装備
    • また、室外排気ガスセンサーと室内汚れセンサーにより、車室内の空気清浄フィルターを通して、よりきれいな空気になるよう内外気を自動的に切り替え制御するエアピュリファイヤー連動内外気制御システムを採用
    • ハイエンドオーディオメーカーであるマーク・レビンソン社製のアンプ、スピーカーを設定したほか(全車にオプション)、DVDビデオが再生可能な6枚DVDチェンジャーをグローブボックス内に搭載(全車にオプション)
    • 半ドア状態から自動的に全閉するフロントおよびリヤのドアイージークローザーシステム(B、C仕様)、およびトランクリッドイージークローザー(全車に標準)を採用
    • 高級車に求められる盗難防止性能は、イモビライザー機能などをレベルアップ
  1. エコロジーへの配慮
    環境への配慮では、超-低排出ガスレベルのクリーンな排気と低燃費を実現したほか、リサイクルにも積極的に対応
    1. 超-低排出ガスレベルのクリーンな排気
      • プリウスに続き、全車HCとNOxにおいて平成12年規制値をさらに75%以上低減し、低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」を達成
  1. 低燃費の追求
    • CO2の削減を念頭にエンジン、トランスミッションの高効率化、エアコンの省動力化、さらに、床下のフラット化や整流パーツで空力性能を高め、優れた燃費を実現(10・15モード走行8.2km/リットル)
  1. リサイクルなどへの対応
    • リサイクル性に優れ、さらに強度、剛性、成形性を向上し、軽量化に寄与する新TSOPを前後バンパーなどに採用
    • 防音アンダーコートをはじめ、内装表皮ボディシーラーなどにPVC(塩化ビニール樹脂)を含まない材料を新たに開発し採用するなど、車両全体のPVCの使用量を従来型に比べ1/3に低減
    • また、使用済み車両のシュレッダーダストから再生した高性能防音材RSPP*1をダッシュサイレンサーに採用したほか、ラゲージトリムなどにはバンパーからのリサイクル素材を使用
    • 森林資源保護に寄与するケナフ(アオイ科の一年草)を、ドアトリム基材などに採用
*1
RSPP
Recycled Sound-Proofing Products
  1. 環境負荷物質の低減
    • ラジエーター、ワイヤーハーネス被覆材、燃料タンクなどに鉛を含まない素材を採用し、2005年までに1/3以下('96年比)に低減するという業界自主目標を大幅に上回る1/6以下に低減
  1. 安全性の追求
    安全面では、車両安定性制御システムVSC*2、衝突安全ボディGOA*3、各種エアバッグシステムなど最新安全技術により世界トップレベルの安全性を実現
    1. 予防安全
      • フロントウインドウの低反射ガラスによりインストルメントパネルの映り込みを制御したほか、オートレベレリング機能付ディスチャージヘッドランプ(ロービーム)、ヒーター付レインクリアリングドアミラーと撥水フロントドアガラスを装備し、優れた運転視界を確保
      • 新設計ブレーキにより、剛性が高く小さい踏力で「優れた効き」を実現するとともに、EBD*4付ABS、ブレーキアシストを全車に採用
      • 画期的な車両安定制御システムVSCを採用
      • タイヤ空気圧の不足を感知して操縦性・走行安定性の確保や、燃費悪化抑制に寄与するタイヤ空気圧警報システムを標準装備
*2
VSC
Vehicle Stability Control(車両安定性制御システム)
*3
GOA
Global Outstanding Assessment(世界トップレベルの安全性評価)
*4
EBD
Electronic Brake force Distribution(電子制動力配分制御)
  1. 衝突安全
    • 40%ラップオフセット前面衝突試験を64km/h、フルラップ前面衝突試験および側面衝突試験を55km/hでそれぞれ実施し、進化させた衝突安全ボディGOAを採用
    • フロントサイドメンバーを差厚結合し、ボディ前端部分の耐力を最適化することにより、衝突時の相手車両への加害性を低減
    • 助手席2段エアバッグは、電子式サテライトセンサーの採用により低速衝突時など衝撃が小さい場合には2段階で展開し、乗員の顔面等への衝撃を緩和する新開発システムとし、副作用の低減を追求
    • 側面衝突時に乗員の頭部衝撃を緩和するSRS*1カーテンシールドエアバッグは、前席に加え後席をも保護する新開発のシステムを採用
    • 前席に加え、後席(除く中央席)にもプリテンショナー&フォースリミッター付シートベルトを採用
    • ピラーやルーフサイドレールに内装材に衝撃を吸収するリブ等を内蔵することにより、米国の頭部衝撃緩和基準をクリアした構造のインテリアを採用
    • 追突されたときに乗員の首部への衝撃を緩和するWIL*2(頸部傷害低減)コンセプトを取り入れたシート構造を前席に採用
    • さらに、運転席には乗員の着座位置に合わせてヘッドレスト高さを自動で調整するスライド連動調整ヘッドレストを採用(一部グレードに標準)
*1
SRS
Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)
*2
WIL
Whiplash Injury Lessening
  1. 世界をリードする、高品位・高品質の車造り
    伝統の高品位・高品質を受け継ぎ、高いレベルの組み付け精度、塗装品質などを確保することはもとより、経年使用時の高品質維持を考慮した材質などを採用
    1. 高いレベルの組み付け精度、塗装品質の確保
      • ドアの閉まり、見映え、風切り音に影響するドア建て付けなど、高い部品組み付け精度を確保したほか、高級感ある艶やかな深みと鮮映性に優れた塗装品質を確保
  1. 経年使用時の高品質維持
    • ボディ各部の優れた防錆性能をはじめ、バンパーとボディの経年色ずれを抑制した塗装、経年変形を抑制したインストルメントパネル素材などを採用
ウェルキャブ(TECS : メーカー完成特装車)(10月2日発売開始予定)
  • 電動で助手席シートを95度回転、スライドさせることで、高齢者や体の不自由な方の乗降を容易にする「ウェルキャブ全自動助手席回転スライドシート車」を設定(“Aタイプ” “Bタイプ”)
  • “Bタイプ”には、ラゲージスペースに車いすの積み下ろしが容易にできる手動車いす用収納装置(電動式)を標準装備
販売概要
  1. 販売店
    全国のトヨタ店ならびにトヨペット店
  2. 月販目標台数
    2,000台
  3. 店頭発表会
    9月9日(土)、10日(日)
メーカー希望小売価格
(消費税は含まず、単位 : 千円)
グレード エンジン トランスミッション 価格
A仕様 3UZ-FE
(4.3リットルV8)
5 Super ECT 5,400
  eRバージョン 5,650
  B仕様 5,900
  eRバージョン 6,000
  C仕様 6,150
  インテリアセレクション 6,650
  Fパッケージ 6,950
  Fパッケージインテリアセレクション 7,300
ウェルキャブ メーカー希望小売価格
(消費税は非課税、単位 : 千円)
ベースグレード   エンジン トランスミッション 価格
C仕様 全自動助手席回転スライドシート車“Aタイプ” 3UZ-FE
(4.3リットルV8)
5 Super ECT 6,520
全自動助手席回転スライドシート車“Bタイプ” 6,621
北海道は30千円高
5 Super ECT
スーパーインテリジェント5速オートマチック

以上

あわせてカーラインアップウェルキャブのコーナーもご覧ください

ダウンロード(画像)

  • セルシオ C仕様 [UA-UCF31-AEAQK]<オプション装着車>
    セルシオ C仕様
    [UA-UCF31-AEAQK]
    <オプション装着車>