2008年01月22日
トヨタ自動車、顔の向きに加え、眼の開閉状態も検知する
“進化したドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステム“を開発
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、優れた安全性能を実現するため、運転者の顔の向きに加え、眼の開閉状態も検知する“進化したドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステム”を世界で初めて*1開発した。この技術は、近々発売予定の新型車に採用する。 トヨタは、先進の安全技術であるプリクラッシュセーフティシステムの開発において、次のように積極的に取り組んできた。 |
時 期 | 概 要 |
2003年2月 | 世界で初めて、進路上にある車両や障害物を検知して衝突被害軽減に寄与する、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムを開発 |
2003年8月 | 運転者のブレーキ操作がない場合にもブレーキ制御するプリクラッシュブレーキ機能を追加 |
2004年7月 | ミリ波レーダーの情報にカメラの情報を加えた画像フュージョン方式の検知システムを採用 |
2006年3月 | 進路上の車両や障害物のみならず運転者の状態にも着目し、ステアリングコラムに搭載したドライバーモニター用のカメラを用いて運転者の顔の向きを検知する機能を採用 |
2006年9月 | 新型ミリ波レーダーと新開発のステレオカメラとのフュージョン方式による前方の歩行者検知と緊急回避支援、および専用ミリ波レーダーによる後方車両への対応機能を追加 |
今回開発した新技術は、自動車事故の要因の大半が運転者の認知ミスであるという実態*2を踏まえ、運転者の状態把握に一層着目し、運転者の眼の開閉状態を検知する機能を新たに採用した。 具体的には、ドライバーモニター用のカメラと画像処理コンピューターを用いて運転者の上下まぶたの位置を検出し、その位置関係から眼を開けているか閉じているかを判断する。これにより、運転者が正面を向いていない状態に加え、眼を閉じている状態で衝突の可能性があると判断した場合に、より早いタイミングで警報を発することができるため、衝突被害の軽減へ一層の寄与が見込まれる。 今後も、運転する人の状態を検知する技術の開発を進め、プリクラッシュセーフティシステムをはじめとする、高い車両の安全性能を実現する各種システムの進化を目指す。 トヨタは、「サステイナブル・モビリティ」実現に向けた取り組みの一環として、モビリティ社会の究極の願いである「交通事故死傷者ゼロの実現」に貢献するため、統合安全コンセプト*3に基づく「安全な車両・技術開発」はもとより、「交通環境整備への参画」「人に対する交通安全啓発活動」を通じ、交通安全への幅広い取り組みを強化していく。 |
*1 | 2007年12月現在。トヨタ調べ |
*2 | (財)交通事故分析センター発行「交通事故例調査・分析報告書(平成17年度 報告書)」 |
*3 | 安全技術・システムの連携により、運転状況に応じた最適な運転支援を行い、「事故を起こさないクルマ」の実現を目指す、トヨタの安全技術・車両開発の考え方 |
▽検知イメージ図 |
▽システム作動の流れ |
運転者が正面を向いていない、もしくは眼を閉じている状態で、 かつ衝突の可能性がある場合、通常よりも早いタイミングで警告 |
以上