2011年01月09日

トヨタ、米国に先進安全技術研究センターを新設

―研究機関等と共に「わき見運転」や交通弱者保護に向けた取組み強化―

 

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、交通事故死傷者の低減を目指し、北米の大学や病院、研究機関等と共同研究を行う「先進安全技術研究センター(Collaborative Safety Research Center)」を新設した。
 トヨタは、安全・品質への取組みを一層強化しており、この研究センター設立もその一環である。同研究センターは、北米における研究開発・製造統括会社Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. の研究開発拠点であるToyota Technical Center(米国ミシガン州アナーバー市、以下、TTC)内に設置する。所長には、TTCのシニアエグゼクティブエンジニアであるチャック・グーラッシュが就任する。
 同研究センターでは、日本のトヨタの技術者も参画し、事故原因として増加している「わき見運転」のリスク低減や、子供や高齢者といった「交通弱者」保護に焦点を当てた研究も行う。また、自動車安全技術の普及促進、交通事故データ・人間行動データの分析も実施していく。なお、今後5年間の投資額は、5000万ドルを予定している。

 同研究センターの設立に関し、豊田社長は「トヨタのこの新しい研究所の設立が、ドライバーや歩行者の一層の安全と安心に繋がり、社会全体に寄与することを願う」と語っている。

 設立時から、ミシガン大学、ヴァージニア工科大学、フィラデルフィア小児病院と共同研究を行うことを決定しており、今後は他の大学や研究機関に対しても、共同研究について働きかけていく。
 ミシガン大学交通研究所とは、衝突データ分析等同研究所の専門性を活かし、先進安全技術を評価する総合プロジェクトを実施する。
 また、ヴァージニア工科大学とは、運転免許を取得して間もないドライバーの危険な運転を低減するための共同研究を行う。このプロジェクトでは、国立衛生研究所の国立小児保健発育研究所とも協力していく。
 さらに、フィラデルフィア小児病院とは、米国初となる、子供乗員の衝突監視システムの研究の支援も行う。このシステムは、子供対象の新安全技術を評価するもので、米国研究者らが、子供乗員の安全性についての課題を検討する際、国際的な基準としての役割を担うものである。

 このようにトヨタは、「サステイナブル・モビリティ」実現に向け「より安全な車両・技術開発」はもとより「交通環境整備への参画」「人に対する交通安全啓発活動」を通じ、今後も交通安全への幅広い取り組みを強化していく。

以上