歴代ハイラックス

車名の由来

英語で「高級な」「より優れた」という意味の「High」と英語で「ぜいたくな」「豪華な」という意味の「Luxury」の合成語

1968

初代ハイラックス

初代ハイラックス

1968年3月に発売した新型ボンネット・トラック。「ブリスカ」と「ライトスタウト」の統合後継モデルで、トヨタが企画し、日野自動車(株)が開発と生産を担当した。

エンジンは「トヨエース」と同じ1.5リッター・70PSの2R型。セパレートフレーム構造で、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、リヤがリジッドアクスル/リーフスプリング。変速は4速MTコラムシフト。乗用車並みの装備を持つデラックスとスタンダードの2種のグレードを用意。3名乗りで積載量は1,000kg、荷台長は1,850mm。1969年4月には荷台長2,250mmのロングホイールベース仕様を追加し、1970年7月にはアルミバンと保冷車を加えて、1971年2月にはエンジンを1.6リッター83馬力の12R型に変更した。

小型トラックは後にキャブオーバー型が主流となるが、この時代にはボンネット・トラックの人気が高く、各自動車メーカーがラインナップしていた。「ハイラックス」は、小型ピックアップの需要が旺盛なアメリカ市場では「トヨタ トラック」の名で販売した。

1972

2代目ハイラックス

2代目ハイラックス

1972年5月に発売した2代目。機構的には初代型を踏襲するが、長短2種のホイールベースは、前者を10mm、後者を45mm延長した。デッキ寸法と最大積載量は変更なし。

エンジンは従来の1.6リッターに加えて、高速道路走行を考慮して2.0リッター・105馬力(18R)を搭載する“ハイウェイ”を新設定した。変速は4速MTコラムシフトとフロアシフト、さらにハイウェイには、「ハイラックス」初となるフロア3速AT仕様を設定。フロアシフト車はセパレートシートの2名乗りとなる。高まる安全性への要望に応えて、マスターバック付タンデム・マスターシリンダー式ブレーキを標準装着としたほか、ロード・センシング・プロポーショニング・バルブなどを採用。1975年10月には「50年(1975年)排出ガス規制」に対応し、エンジンは1.6リッター80馬力の12R-J型のみとなった。

1978

3代目ハイラックス

3代目ハイラックス

1978年9月に発売した3代目。そのカタログの表紙を飾っているのはオレンジのボデーに白い装飾サイドストライプを付けた新型「ハイラックス」で、「HILUX CALIFORNIA-日本生まれのアメリカ育ち」とある。小型ピックアップをアメリカのように乗用車代わりやレジャーに使うことを提案したものだ。

3代目には乗用車的な仕様・装備と乗り心地が与えられた。バリエーションも多岐にわたり、3種の標準ボデーと4種のロングボデーを設定。トップモデルとして新設されたスーパーデラックスは室内空間に余裕を持たせるため90mm長いキャブを採用。エンジンは1.6リッター(12R-J)を継続。フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式のまま、スプリングがコイルからトーションバーに変更された。フロントディスクブレーキをデラックス以上に標準採用した。

浮き出しのTOYOTAロゴ付リヤゲートをオプション設定。1979年10月には「ハイラックス」としては初となる4WD(エンジンは2リッターの18R-J)モデルを、また同年12月にも、初のディーゼル・エンジン(L)を後輪駆動モデルに加えた。さらに1981年10月のマイナーチェンジでは、レジャー用として重宝する2列シートのダブルキャブを加えるなど、モデルライフを通じて大幅な車種体系の拡充を図った。

1983

4代目ハイラックス

4代目ハイラックス

1983年11月に発売した4代目。4代目の後輪駆動モデルは、コンフォタブルシリーズとポピュラーシリーズの2シリーズのラインナップとなった。前者は内外デザインを一新した4代目となるモデルで、後者は3代目の継続生産である。4WDはすべて新ボデーを採用。4代目の外観の特徴は前後のブリスターフェンダーである。

エンジンは、後輪駆動用が1.6リッター(12R-J)/1.8リッター(2Y)のガソリンエンジンと、2.2リッター(L)/2.4リッター(2L)ディーゼルエンジン、そして4WD用は2リッターガソリンエンジン(3Y-J)と2.4リッターディーゼルエンジン(2L)を用意。ボデーはシングルキャブとダブルキャブの2バリエーションがあり、モデル数は従来の17種から20種に増加した。この代から、高床の三方開き荷台車も設定された。

また1984年5月には、この世代の4WDモデルをベースにステーションワゴン化した、トヨタ初のSUV「ハイラックスサーフ(海外向けは4ランナー)」が発売された。

1988

5代目ハイラックス

5代目ハイラックス

1988年9月に発売した5代目。強力、強靱、快適の3要素を基本コンセプトとし、RVとしての機能も高めるため、さらなる快適装備の充実を図った。基本デザインはプレスドアを採用した1種類となった。後輪駆動と4WDの大きな違いは、ホイールアーチフレアの有無で、後輪駆動はフレアのないすっきりしたフェンダーを持ち、4WDはフレアのあるたくましい印象のオーバーフェンダーを持つ。このため4WDの全幅は後輪駆動より40mm広い1,690mmとなった。室内、とくにダッシュボードはさらに乗用車的なデザインが採用された。

エンジンは後輪駆動用に1.8リッターガソリンエンジン(2Y)と、2.4リッターディーゼルエンジン(2L)、4WD用に2リッターガソリンエンジン(3Y)と、2.8リッターディーゼルエンジンの4種類を用意。このほか2WDモデルのAT装着車を拡大し、4WDのショートボデー車に高級仕様のSSRパッケージを新設定するなど、顧客ニーズの多様化に応えた。

1989年には、トヨタとフォルクスワーゲンの提携によって、VW社のハノーファー工場で生産され、欧州において「トヨタ ハイラックス」と「VW タロー」の名で販売した。1991年8月のマイナーチェンジで、ダブルキャブ4WDモデルのフロントサスペンションがダブルウィッシュボーン/トーションバースプリングの独立式に変更され、乗り心地と安定性の向上がはかられた。1994年8月には後輪駆動車のエンジンが4WDモデルと同じ2リッターガソリンエンジン(3Y)と、2.8リッターディーゼルエンジンに変更された。さらに同年8月に4WD車に2.4リッターターボディーゼルエンジンが追加された。

1997

6代目ハイラックス

6代目ハイラックス

1997年9月に発売した6代目。トラックとしての機能を優先したビジネスユース(商用)仕様と、パーソナルユース(乗用)仕様の2シリーズでラインナップを構成。後者はスポーツピックアップの名を冠し、RVとしての機構・装備を充実させるため、室内高と室内長を拡大するとともに静粛性を高めている。また、11月から発売した新設のワイドボデー(全幅+100mm)エクストラキャブモデルでは、後席に2名分の補助シートを備えながら、充分な荷台長を確保し、オープンデッキRVの機能を高めている。駆動方式は2WDと4WD。エンジンはガソリンが2リッター(1RZ-E)と2.7リッター(3RZ-E)、ディーゼルが2.4リッターターボ(2L-TE)と、3リッター(5L)の4機種。2WDダブルキャブ、2WDエクストラキャブ、4WDダブルキャブ、4WDエクストラキャブを設定した。

2004

7代目ハイラックス

7代目ハイラックス

2004年8月に発売した7代目。世界140カ国以上の市場に導入することを前提とした新しいピックアップトラック。6代目ハイラックスのラギッドさは継承しつつ、広い室内空間を確保し居住性も改善、乗用車の乗り心地とSUVの利便性を高い次元で両立させ、21世紀のお客様が求める高いレベルの耐久性と快適性を兼ね備えた。

IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)プロジェクトとして、ピックアップトラック3車型(ハイラックス)、ミニバン(イノーバ)、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(フォーチュナー)の合計5車型を同じプラットフォームにて新開発。

世界各国のお客様に対して、同時期に、より魅力的な商品を、よりお求めやすい価格で、提供することを目的とし世界規模での最適な生産・供給体制を構築した。

この7代目ハイラックスから日本での生産は無くなり、タイ、南アフリカ、アルゼンチンからそれぞれの地域を中心に各国への供給を行い、マレーシア、パキスタン、ベネズエラでも生産された。

2015

8代目ハイラックス

8代目ハイラックス

2015年5月に発売した8代目。開発にあたり「道が人を鍛える。人がクルマをつくる」という考えのもと、開発チームは世界中の様々な道を走り、使用環境を実際に体験するとともにお客様の声を直接聞いてきた。

8代目ハイラックスは『タフの再定義』を開発コンセプトとして掲げ、あらゆる観点からタフさの追求を行ってきた。そして「クルマを駆るのにストレスを感じない」人に優しい新たなタフさの実現を目指し、「低燃費がもたらす、ゆとりある航続距離」「過酷な道を安全に走るための疲れにくい乗り心地」「車内外とのコミュニケーションに影響しない静かな室内」という新基準を設け、「丈夫さ」「力強い走り」「走破性」「衝突安全性」を徹底的に鍛えなおした更なるタフさを実現した。