10月28日(日)、2018年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・スペインの競技最終日となるデイ4がスペインのサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)が総合6位で、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(#9号車)が総合7位でフィニッシュ。ポイントを加算し、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を守りました。また、首位を走行していたヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#7号車)は、パンクで遅れをとり総合8位でラリーを終えました。
- #8号車(オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
ラリー・スペインの最終日デイ4は、サロウの西側で4本、計61.70kmのSSが行なわれました。デイ3と同様、ステージはすべてターマック(舗装路)で早朝こそ路面は一部湿っていましたが、全体的にはドライコンディションでした。デイ3でトップに立ち、2位に4.7秒のリードを持ってデイ4をスタートしたラトバラは、最初のSS15で総合2位にダウン。続くSS16では順位を守ることができましたが、SS15の再走ステージであるSS17でクルマがガードレールに接触し、ホイールにダメージを受けた事でタイヤがパンク。50秒近いタイムロスで総合6位までポジションを落とし、最終のSS18は完走最優先の走りに徹した結果、総合8位でラリーを終えました。
デイ3で首位を走りながらもパンクで大きく遅れ、デイ4を8位でスタートしたタナックは、SS16で2番手タイムを記録するなど好調な滑り出しとなりました。そして、トップ5のタイムを記録した選手に対してボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」のSS18では、ベストタイムで5ポイントを獲得。総合6位でフィニッシュした結果、ドライバー選手権1位の選手との差は23ポイントに留まりました。最終戦では最大30ポイントの獲得が可能なため、タナックのタイトル争いは次戦ラリー・オーストラリアでも続きます。
ラッピは目標である完走を果たし、総合7位でフィニッシュ。タナックと共に貴重なマニュファクチャラーズポイントをチームにもたらしました。その結果、2位のチームに12ポイント差でマニュファクチャラー選手権1位のポジションを堅持。WRC復帰2年目でのタイトル獲得に向けてラリー・オーストラリアに臨みます。
- #7号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ)
- トミ・マキネン(チーム代表)
- 多くの浮き沈みがあり、そして最初から最後まで素晴らしい戦いが続いた、信じられないような週末でした。良い結果が得られそうでしたが、残念ながらそうはなりませんでした。とはいえ、3人のドライバーは最後までラリーを戦い抜き、マニュファクチャラー選手権にとって重要なポイントを獲得しました。そして、オットはパワーステージで最高の結果を残し、ドライバーズタイトルの望みを繋ぎました。我々には速いドライバー達と、速く、そして信頼性の高いクルマがあります。自信を持ってラリー・オーストラリアに臨みたいと思います。
- ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #7号車)
- 今朝の最初のステージではタイヤもセットアップも軟らか過ぎましたが、2本目のステージでは状況が良くなり、勝利を目指して走りました。クルマのフィーリングはとても良く、すべてが順調でした。しかし、残念ながら3本目のステージのコーナーでガードレールの支柱に当たり、タイヤがパンク。そのままステージの半分を走らなければなりませんでした。自分のミスを心から悔やんでいますが、コンマ1秒の差を争う状況ではあり得る事です。決して望んでいた結果ではありませんが、今週末のパフォーマンスには満足しています。そして、次のラリー・オーストラリアがとても楽しみです。
- オット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
- 今日は運転がとても楽しく感じられました。昨日はトリッキーなコンディションでしたが、今日は心待ちにしていた典型的なカタルニアのターマックロードを走る事ができました。パワーステージでは私に失うものはなく、もちろん最後まで走り切る必要はありましたが、ドライバーズ選手権争いに生き残るためには計算上唯一のチャンスでしたので、本当にハードに攻めました。全力を尽くしましたし、最後まで絶対に諦めません。そして、マニュファクチャラー選手権争いにおいて、我々は依然有利な立場にあります。
- エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #9号車)
- とても大変な週末でしたが、初めてこのラリーを最後まで走り切れたのは良かったです。私にとって重要な意味を持ちますし、週末を通して多くのことを学びました。今日は総合順位を争うようなポジションになく、クルマをフィニッシュに導きマニュファクチャラー選手権に向けポイントを確実に獲得する必要がありました。その役割は果たせたと思います。
- 1
- セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ(シトロエン C3 WRC)3h12m08.0s
- 2
- セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(フォード フィエスタ WRC)+2.9s
- 3
- エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット(フォード フィエスタ WRC)+16.5s
- 4
- ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー(ヒュンダイ i20 クーペ WRC)+17.0s
- 5
- ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ(ヒュンダイ i20 クーペ WRC)+18.6s
- 6
- オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(トヨタ ヤリス WRC)+1m03.9s
- 7
- エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(トヨタ ヤリス WRC)+1m16.6s
- 8
- ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(トヨタ ヤリス WRC)+1m26.4s
- 9
- クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン(シトロエン C3 WRC)+2m07.0s
- 10
- アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー(ヒュンダイ i20 クーペ WRC)+2m48.2s
WRC次戦は、11月15日(木)から18日(日)にかけて、オーストラリア東海岸のコフスハーバーを中心に開催される第13戦「ラリー・オーストラリア」です。ラリー・オーストラリアはシーズンの最終戦となり、様々なグラベルステージを走行します。ドライコンディションになると路面は滑りやすいルーズグラベルに覆われ、早い出走順のドライバーが不利となります。しかし森の中のステージではクルマが巻き上げるダストがなかなか収まらないこともあり、その場合は先頭スタートのドライバーが有利となります。
- #7号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ)
- #8号車(オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
- #9号車(エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム)
以上